人生100年時代の
投資論

東京大学法学部を卒業し、ハーバード大学のロースクールを卒業。その後日英の財務省で合計9年間、予算、税制、金融、国際交渉に参画したという柴山さんは、国際結婚をしたことで日米の資産運用についての価値観の差に気づかされたという。

「アメリカ人の妻の両親と話をしていて、若い頃から資産運用をしていたかどうかで、自分の両親と資産が10倍くらい違うということを思い知らされ、働く世代向けのウェルスナビを立ち上げました」

ウェルスナビは“ものづくりをする金融機関”ということを意識し、IT技術と金融を掛け合わせ、資産運用を自動化。アプリで資産運用が完結するという、金融サービスにイノベーションを起こすことを目指す。
2年ほど前からサービスを立ち上げて、現在では9万人の顧客の預かり資産1000億円を超える。ターゲットとなるのは、20代から50代の働く世代だ。

何故、働く世代の資産運用が必要かという理由に柴山さんは2つの理由を挙げる。
退職金の減少と少子高齢化だ。現在、企業で働く35歳の人が退職する頃には、退職金の平均額が1000万円を切るという予測がある。「人生100年時代」と言われる現代。自分たちの親世代のような、老後は退職金と年金で暮らすというライフプランは成立しなくなる。
では、どういうスタイルにすればよいか。柴山さんはこう答える。
「働きながら資産運用をする、というのは決して未来の話をしているのではありません。私たち一人ひとりが既に直面している問題です。長期・積立・分散による資産運用が重要になってきます。金融危機は25年間で5~6回起きると言われていますが、世界経済全体は成長し続けているため、長期投資をすることでその影響は一時的なものとなります。
また、例えば、リーマンショックの際には株価は大きく下がりましたが、債券や金の価格が値上がりするといったように、投資先を分散することでリスクが抑えられます。為替や株価の一時的な動きに左右されず、こつこつ定額で資金を積み立てる積立投資も重要です。
人生100年時代の働く世代にとって、長期、積立、分散による資産運用はコアになっていくと思います。長期・積立・分散をコアとして、個別の銘柄・テーマ・国などに対する投資を衛星(サテライト)のように組み合わせて投資するという「コア・サテライト運用」が一つのスタンダードになっていくと考えています。コアとサテライトのバランスを守った投資が今後必要とされてくると思います」
講師プロフィール
柴山 和久
ウェルスナビ株式会社 代表取締役CEO
「誰もが安心して手軽に利用できる次世代の金融インフラを築きたい」という想いから、プログラミングを一から学び、2015年4月にウェルスナビ株式会社を設立。2016年7月に世界水準の資産運用を自動化したロボアドバイザー「WealthNavi」、2017年5月におつりで資産運用アプリ「マメタス」をリリース。起業前には、日英の財務省で合計9年間、予算、税制、金融、国際交渉に参画。その後マッキンゼー・アンド・カンパニーに勤務し、ウォール街に本拠を置く10兆円規模の機関投資家を1年半サポート。東京大学法学部、ハーバード・ロースクール、INSEAD卒業。ニューヨーク州弁護士。
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